GR-SAKURAに搭載されているマイコンには1MBのフラッシュメモリが内蔵されていますが、現在のファームウェアでは、448KBまでしか書き込めない制限があります。
フラッシュ開発ツールキット(以下FDT)を利用することで、USB経由でマイコンのフラッシュメモリ全領域の書き換えが可能です。
しかしながら、FDTは全領域の消去を実施してしまうため、ファームウェアも消えてしまいます。
これに対応するため、WebコンパイラでビルドしたbinファイルをMOTファイルに変換した後、ファームウェアのMOTファイルを結合することで安全に448KB以上(2012.7.27発売版のファームウェアの場合は960KBまで)のプログラムをGR-SAKURAに書き込むことが可能です。
本ドキュメントは無保証です。自己責任の元、実施してください。
また、本手順ではFDTを利用するためWindowsのみで有効ですが、MOT変換&ファームウェア結合機能はPerlスクリプトとして実装しているため、他のプラットフォームにおいてもMOTファイルを書き込むツールを用意すれば同様の手順で書き込みを行うことができます。
以下から【無償評価版】フラッシュ開発ツールキットをダウンロードしてインストールします。
http://japan.renesas.com/products/tools/flash_programming/fdt/downloads.jsp#
2012.8.7現在の最新版は V.4.08 Release 02 です。
Release 02でないと、GR-SAKURAに搭載されているRX63NBと接続時にエラーが発生します。
古いバージョンのFDTをインストール済みの方は必ず最新版にアップデートしてください。
※以下の手順は、Windows 7 64bit版で V.4.08 Release 01を動作させた時のモノです。
Perlが必要です。CygwinやMinGWをインストール済みの方はそちらをご利用ください。
Active Perlは以下からダウンロードできます。
http://www.activestate.com/activeperl/downloads
以下、Active Perlを前提に説明します。
このドキュメントに添付されている
GR-bin2mot.pl.zip
をダウンロードし、展開します。
以下から、ファームウェアをダウンロード後、ZIPファイルを解凍してファームウェアを取り出す。
以下のファイルがファームウェアです。
SAKURA_Debug_HEW\SAKURA_Debug_HEW\NonOS_MscFw.mot
ダウンロードしたsketch.binとスクリプトとファームウェアを同一フォルダに格納し、コマンドプロンプト(cmd.exe)にて以下を実行。
perl GR-bin2mot.pl > sketch.mot
※引数を省略すると、sketch.binを読み込みます。指定した場合は、そのファイルを読み込みます。
perl GR-bin2mot.pl HelloADK.bin > HelloADK.mot
SW3のスイッチを右側に変更
初回は、自動的にドライバが組み込まれて「Generic Boot USB Direct」として認識するはず。
1) 「Flash Development Toolkit 4.08 Basic」を起動
※ 初回起動時は、この後の「3. FDTの初期設定」の手順を参照。
1) File Selectionで、「User / Data Area」のチェックボックスをONにする。
2) 書き込むファイルを選択
3) [スタート]をクリック
4) Select USB Deviceのウィンドウが表示されるので、[OK]をクリック。(通常は1つのデバイスしか無いはず)
5) 書き込み完了。画面下部のログ出力部に「書き込みが完了しました」と表示されればOK。
6) [終了]ボタンをクリックして、FDTを終了。
1) USBケーブルをはずす
2) SW3のスイッチを左側「Run」に変更
以下、ご参考。
1)「デバイスとカーネルの選択」画面が表示されるので、一番下の「Generic BOOT Device」を選択して、[次へ]をクリック
2) 通信ポート画面が表示されるのでSelect port:で一番下の「USB Direct」を選択して[次へ]をクリック
3)以下のポップアップが表示されるので[OK]をクリック
4) デバイス選択
一つだけ出てくるはずなので、それを選んで[OK]をクリック
5) RX600 Series (LittleEndian)を選択して[OK]をクリック
6) 全てのチェックが付いていることを確認して[OK]をクリック
7) デバイスの設定はデフォルトのままで[次へ]をクリック
8) 書き込みオプションは以下の設定(デフォルト)にして[完了]をクリック
9) これで初期設定は完了。画面下部のログ出力部に「接続完了しました」と表示されていればOK。
Attachment: http://japan.renesasrulz.com/gr_user_forum_japanese/w/wiki/51.448kb-windows.aspx