発振回路の評価方法

新人向けマイコン基礎教育の実習項目を検討
しているのですが、

 通常、発振子を接続している端子に直接プローブ
を当てて発振波形を観測することはしませんね。

 どうしても必要なら、低容量プローブかFET
プローブを使う手が無いではありませんが。

 ホビーユースを口実に普通のプローブを当てて
みました。
 
  ①周波数測定のできるマルチメータ
  ②廉価版のオシロスコープ(60MHz帯域の標準
   プローブ使用)

 発振回路の定数は
   水晶発振子: 仕様 9.8304 [MHz]
   コンデンサ: 22 [pF]
   マイコン: 78K0S/KA1+

  ①では、9.82 [MHz]を観測
  ②では、9.828 [MHz]を観測

 それらしき観測結果は得られましたが、専門家
 の方から見たら、とんでもないことをしている
 のかも知れません。

  ご参考までに、証拠写真添付します。
 アドバイス頂けましたら、幸いです。

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  • 1~150MHzのシステムクロックはATカットの厚みすべり振動モード基本波と思われます。ATカットでも、切り出し角度で温度特性は変化するようです。調べたことがありませんが、メーカ差は結構あるのではないでしょうか?興味が湧きますね。
    時計やサブクロックは音叉タイプのXYカットと思われます。ramothさん紹介のシチズン情報に、ATカットの温度特性は3次曲線になり、XYカットでは負の二次曲線になることが書かれてます。
    趣味のアマチュア無線ではヒータ入りに交換したりしますが、仕事ではブツバラつきまでで温度特性はほとんど気にしてません。
  • ちょっと暇つぶしに、
    高速メイン発振回路のX1X2負荷容量と励振レベル(水晶に流れる電流)をLTspiceを使ってシミュレーションしてみました。


    水晶振動子の負荷容量(X1//X2)=6pFとして、
    X1とX2の組み合わせを3通り実施。

    ・X1=X2
     X1とX2のバランスを取ると
     発振起動時間が一番短くなりました。

    ・X1>X2
     X1の容量を大きくすると
     発振起動時間が伸びて、X1の振幅レベルが低くなるので
     良くないですね。

    ・X1<X2
     X2の容量を大きくすると
     水晶に流れる電流はX1=X2時と同等で
     X1の振幅が大きくなった分、励振レベルが上がりました。
     実機でX1の振幅が小さい時には使えそうですけども
     オーバーシュートやアンダーシュートが出ないように
     注意が必要ですね。
     


    なお、インバーターや水晶のSPICEモデルは適当なので、実機と異なる傾向をもっているかもしれません、あしからず。

    HYIXDLoRZSDCJYYf-0_A0462.gif

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  • kijoさん #11

    32KHz帯でATカットの精度を出すには発振器も選択肢に入りますね。
    ATカットのMHz帯クリスタルを分周して32KHz帯を作れば精度良くできますから。
    京セラあたりから10ppm未満の発振器でてますけど
    ramothさんがおっしゃっているように
    温度補正回路とか入っているんでしょうね。

    いずれにしても、時計用クロックは1ppmでも30秒/年の誤差になってしまうので、なかなか厳しいですね。
  • RX210のボードが工場から上がってきたので、初期確認をしているんですけども、

    サブクロックにFETプローブをつなげると発振しなくなっちゃうみたいですね。
    XT1\,XT2どちらもFETプローブをつなげると急に振幅が小さくなり始めて、すぐに振幅が消えちゃいます。
    (RCR3レジスタの低CL\,標準CLどちらでも)
    ふつうのプローブだとXT1\,XT2どちらも取れるのに。

    ふつうのプローブよりもFETプローブの方が低容量で大丈夫そうな気がするんですけども、なんでだろ。。。。


    発振しなくて、ちょっとびっくりしたので愚痴の書き込みでした。
  • お風呂入っていて、ふと思ったんですけども、
    サブの帰還抵抗とかかなり大きめですし、FETプローブのリーク電流が発振回路のドライブ能力(電流)に影響を与えているのかもしれません。

    FETプローブは1MΩで、ノーマルプローブは10MΩなので、信号源インピーダンスが高い場合は、案外とふつうのプローブの方がいいのかも?!

  • FETプローブは低容量で影響が少ないと思い込んでますが、実際に使用してみると少し感覚が異なりますよね。数年ほど前に早朝出勤で趣味的にマイコンの発振安定時間を計測しようとしたことがあります。水晶振動子メーカから具体的な計測方法を聞き出して試したのですが、例題のような波形はとれませんでした。仕事ではノーマルプローブで済んでしまうこともありFETプローブに対する経験不足や理解に誤りがあるのではと私も感じてます。オシロスコープメーカのプローブガイドなどをみても今ひとつわかりません。日立製作所時代の「マイコンのEMCノイズ対策と対応」にも水晶振動子メーカの例題と同じような発振安定時間の波形データが出てきます。自分の情報ではないので、あまり詳しく、かつ、具体的には書けませんが、FETプローブを非接触で測っているみたいですよ。
  • kijoさん

    やっぱり、そうですよねー。

    他にもFETプローブをAC結合で使うと(50Ω整合されるせいで)、低周波領域では使いにくいケースがあったりして、道具は適材適所ですね。


    非接触のFETプローブというのは、ちょっと魅力的なフレーズですね。私も欲しい♡

  • 以前このスレッドで紹介した発振子の発振特性の資料とかがメーカーのページから削除されているみたいですね。
    昔は、マイコンとの発振特性の評価結果が水晶メーカーのHPで公開されていたんですけども、昨今は秘密主義なのか、防衛的戦略なのか見かけなくなりましたね。

  • 追伸
    気づけば、北斗のページに「サブクロック特性評価証明書:PDF (2013.1.17 更新)」が復活してました^^
  • 直列抵抗が入ってないんじゃない?