発振回路の評価方法

新人向けマイコン基礎教育の実習項目を検討
しているのですが、

 通常、発振子を接続している端子に直接プローブ
を当てて発振波形を観測することはしませんね。

 どうしても必要なら、低容量プローブかFET
プローブを使う手が無いではありませんが。

 ホビーユースを口実に普通のプローブを当てて
みました。
 
  ①周波数測定のできるマルチメータ
  ②廉価版のオシロスコープ(60MHz帯域の標準
   プローブ使用)

 発振回路の定数は
   水晶発振子: 仕様 9.8304 [MHz]
   コンデンサ: 22 [pF]
   マイコン: 78K0S/KA1+

  ①では、9.82 [MHz]を観測
  ②では、9.828 [MHz]を観測

 それらしき観測結果は得られましたが、専門家
 の方から見たら、とんでもないことをしている
 のかも知れません。

  ご参考までに、証拠写真添付します。
 アドバイス頂けましたら、幸いです。

ijkutkspBS7oGkcm-1_A0458.jpg

uV5OXsn0rso7pJxw-0_A0457.jpg

Parents
  • サブ発振に使用できる水晶の絞込み方法の紹介です。

    まず、マイコンの発振回路(インバーター)のドライブ能力は
    前の投稿で調べた値を使います。
    RL78/G13超低消費モード 0.15uW (I=0.22uA\,V=0.68V)

    水晶のスペックを以下のように表現します。
     ・直列等価抵抗=ESR [Ω]
     ・励振レベル=Dl [uW]

    一般的な指標として、発振余裕度5倍で考え
    負性抵抗を「5*ESR」とすると
    発振条件は以下の式になります。
     Dl*((ESR+5*ESR)/ESR)≦ドライブ能力=0.15uW
     Dl≦0.15/6[uW]
     Dl≦0.025[uW]

    ということで、カタログスペックで励振レベルDl=0.025[uW]以下の水晶を選択すればOKになります。


    仮に、セイコーのサブ発振子「VT-200-FL」(Dl=0.01uW\,ESR=50KΩ)を使った時に発振余裕度nが何倍になるかを計算すると
     0.01uW*((ESR+n*ESR)/ESR) = 0.15uW
     n=0.15uW/0.01uW-1=14倍
    よって発振余裕度は14倍になります。


    それでは、答え合わせ。
    手近なところで、北斗のボードHSB78G13-64Bでのマッチング結果を見ましょう。

    > http://www.hokutodenshi.co.jp/7/HSB78G13_64B.htm
    > ↑の「サブクロック特性評価証明書:PDF 更新(2013.1.17) 」をクリック

    超低消費発振モードの結果を確認すると、

    > 負性抵抗:-RL=-677KΩ、直列等価抵抗50KΩ
    > 発振余裕度:M=13.5倍

    となっていますから、机上計算とほぼ一致しますね!



    -------------------------------------
    おまけで、負荷容量と水晶の等価抵抗を考えると

    単純にXT2電流=0.22uAで駆動できるXT2の容量を計算してみます。
      I=Qf=CVf、C=I/(Vf)
      C=0.22uA/(0.68V*32.768KHz)=9.9pF
    XT2≦9.9pF以下なら、V=0.68Vまでフルスイングできそうです。

    水晶の直列等価抵抗ESRの影響は、単純に考えて
      R=V/I=0.68V/0.22uA=3.1MΩ
    なので、水晶のESR(負性抵抗分も含めて)が3.1MΩを超えると水晶起因で電流制限が起こり、ドライブが「0.15uW」以下になってしまいそうですね。
Reply
  • サブ発振に使用できる水晶の絞込み方法の紹介です。

    まず、マイコンの発振回路(インバーター)のドライブ能力は
    前の投稿で調べた値を使います。
    RL78/G13超低消費モード 0.15uW (I=0.22uA\,V=0.68V)

    水晶のスペックを以下のように表現します。
     ・直列等価抵抗=ESR [Ω]
     ・励振レベル=Dl [uW]

    一般的な指標として、発振余裕度5倍で考え
    負性抵抗を「5*ESR」とすると
    発振条件は以下の式になります。
     Dl*((ESR+5*ESR)/ESR)≦ドライブ能力=0.15uW
     Dl≦0.15/6[uW]
     Dl≦0.025[uW]

    ということで、カタログスペックで励振レベルDl=0.025[uW]以下の水晶を選択すればOKになります。


    仮に、セイコーのサブ発振子「VT-200-FL」(Dl=0.01uW\,ESR=50KΩ)を使った時に発振余裕度nが何倍になるかを計算すると
     0.01uW*((ESR+n*ESR)/ESR) = 0.15uW
     n=0.15uW/0.01uW-1=14倍
    よって発振余裕度は14倍になります。


    それでは、答え合わせ。
    手近なところで、北斗のボードHSB78G13-64Bでのマッチング結果を見ましょう。

    > http://www.hokutodenshi.co.jp/7/HSB78G13_64B.htm
    > ↑の「サブクロック特性評価証明書:PDF 更新(2013.1.17) 」をクリック

    超低消費発振モードの結果を確認すると、

    > 負性抵抗:-RL=-677KΩ、直列等価抵抗50KΩ
    > 発振余裕度:M=13.5倍

    となっていますから、机上計算とほぼ一致しますね!



    -------------------------------------
    おまけで、負荷容量と水晶の等価抵抗を考えると

    単純にXT2電流=0.22uAで駆動できるXT2の容量を計算してみます。
      I=Qf=CVf、C=I/(Vf)
      C=0.22uA/(0.68V*32.768KHz)=9.9pF
    XT2≦9.9pF以下なら、V=0.68Vまでフルスイングできそうです。

    水晶の直列等価抵抗ESRの影響は、単純に考えて
      R=V/I=0.68V/0.22uA=3.1MΩ
    なので、水晶のESR(負性抵抗分も含めて)が3.1MΩを超えると水晶起因で電流制限が起こり、ドライブが「0.15uW」以下になってしまいそうですね。
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